厳選されるグランドセイコーの素材

グランドセイコーが一貫して大切にしているのは、素材の本質を見極め、その特性を最大限に活かすことです。例えばステンレススチール、チタン、18Kゴールド、プラチナといった金属でつくられるケースの造形と輝きには、それぞれの美しさをひき出すべく、デザイナーたちの創意工夫と卓越した職人技が注ぎ込まれています。また、そしてそれはムーブメントの素材に対しても同じです。

エバーブリリアントスチール

世界最高レベルの耐食性を備えたステンレススチール素材「エバーブリリアントスチール」は、一般的な高級時計に使用されているステンレススチール材を上回る耐食性*と白く美しい輝きを併せ持つ素材です。従来、海洋構造物や化学・食品系プラントなどの塩化物含有環境(海水や工業的に塩化物イオンと接する環境)にさらされる設備など過酷な環境用に使われてきた素材で、腕時計のような装身具に求められる要求品質を満たすことは困難でした。しかし、いつの時代も長く愛用できる美しさを追求しているグランドセイコーは、従来の製造工程を一から見直し、ケースとブレスレット双方への実用化に成功しました。

* 塩化物含有環境(海水や工業的に塩化物イオンと接する環境)における金属の腐食耐性の評価に広く用いられている指標である孔食指数(PREN : Pitting Resistance Equivalent Number)で表現した場合、一般的な高級時計に使用されているステンレススチールと比べて、1.7倍以上となります。

ブリリアントハードチタン

グランドセイコー独自の素材である「ブリリアントハードチタン」は、純チタンと同様に軽量なだけでなく、表面の硬さがステンレススチールの約2倍で、傷がつきにくいのが特徴の先進的なチタン合金素材です。また、純チタンよりも白く、その表面を熟練の研磨師が「ザラツ研磨」を駆使して磨き上げることで得られる美観が魅力です。

進化し続ける自社開発の特殊金属SPRON

より高精度でより完璧な時計を求めて、半世紀以上の長きにわたって自社開発を続けている特殊金属SPRON。
ぜんまいに使われるこの素材はこれまでにも絶えず進化を続け、耐衝撃性能の向上やトルクの増大などを通じていくつもの時計に貢献してきました。

グランドセイコーの機械式ムーブメントは、てんぷを構成するひげぜんまい、香箱に納まる動力ぜんまい、それぞれに異なる特性を持つSPRONを開発し採用。グランドセイコーには、つねに高みを目指し続ける技術者たちの飽くなき探究心と、先進テクノロジーの融合があり、パーツ一つひとつを開発するTAKUMIたちの想いと熱意の集積によって優れた機械式時計が生み出されます。 

自らを塗り替えるため、水晶から自社製造。

技を磨くこと。優れた素材を開発すること。そして、高品質な時計をつくること。1988年に初めてグランドセイコーに搭載されたクオーツムーブメントは、年差±10秒という高精度によって世界中を驚かせましたが、匠たちの理想はさらに先にありました。
徹底した素材管理と慎重な素材選定。「時の本質」に迫るために、未知の領域を果てしなく追い求める姿勢そのものが、もはや芸術的と呼ぶにふさわしく、グランドセイコーは水晶を自社製造し、高品質な水晶振動子を安定的に供給。自ら築いた高精度を自ら塗り替えるための探究を続けています。

The Grand Seiko Studio Shizukuishi

The Shinshu Watch Studio