静謐なる
ダイバーズウオッチ
USHIO 300 Diver

 

機能的で使いやすく、美しい。そんな理想的なダイバーズウオッチを目指して生まれたのが「エボリューション 9 コレクション Ushio 300」。ムーブメントやデザイン、仕上げの全てで新しい挑戦を取り入れたダイバーズウオッチの魅力とは?

 

挑戦の歴史から生まれた
スプリングドライブ式ダイバーズウオッチ

グランドセイコーはブランド誕生以来、絶えず革新への挑戦を続けてきました。その過程の中で2020年に生まれたのが、新しいデザインコード「エボリューション9スタイル」であり、その理念を具現化し、現代のグランドセイコーを象徴する存在として生まれたのが「エボリューション9 コレクション」です。
このコレクションは、グランドセイコーが大切にしてきた機能性、装着性、審美性という三つの価値をより高い次元で追求するために構築されています。そのラインナップに新しいダイバーズウオッチ「Ushio300」が加わったのは必然でした。
“ダイバーズウオッチ”を名乗るには、視認性・防水性能・操作性など、多くの厳格な基準を満たす必要があります。これらの要件を高いレベルで両立させることは、グランドセイコーが長年にわたり磨き上げてきた腕時計の本質価値と深く結びついています。こうした厳しい条件に応える領域への取り組みは、ブランドの可能性をさらに広げるために不可欠なものでした。Ushio300は、エボリューション9 コレクションに新たな側面をもたらすモデルとして誕生しました。

 

Evolution 9 コレクションとは

 

機能性から導き出されたスプリングドライブ U.F.A.ムーブメント

グランドセイコーの独自ムーブメントである9Rスプリングドライブは、ぜんまいを動力源としつつ、水晶振動子とICで時計の動きを制御するもの。機械式ムーブメントとは異なりテンプやアンクルを持たない構造により、高い耐衝撃性も備えています。また、電池切れの心配がない点も特徴です。これらの特性は、スポーツウオッチに求められる性能と高い親和性を持っています。そのため「エボリューション9 コレクション」のダイバーズウオッチでは、これまでにもスプリングドライブムーブメントを使用してきました。
その思いは「Ushio 300」にも継承しましたが、さらなる挑戦として年差±20秒のスプリングドライブ U.F.A.(Ultra Fine Accuracy)ムーブメント、キャリバー9RB1を開発しました。2025年に発表されたキャリバー9RB2のバリエーションで、基本設計は同じですが、パワーリザーブ表示を裏ぶた側からダイヤル側に移動させています。これは水の侵入経路を減らすために、クローズドタイプのケースバックを使用しているから。しかしこのおかげで、ダイビングスーツを着用した状態でも常にぜんまいの残量が把握できる。これもダイバーズウオッチならではの機能性といえるでしょう。
また潜水経過時間を計測するための逆回転防止ベゼルにも、機能性を意識したデザインを取り入れています。回転ベゼルの表示板は耐傷性に優れるセラミックスで、そこに入る数字やスケールの色はグレー。これは、針やインデックスのルミブライトとの視覚的なバランスを整え、文字盤の視認性を妨げないように考えられたものです。

ダイバーズウオッチは長い歴史の中で熟成を重ねてきました。しかしそれでもまだ進化の余地はある。「Ushio300」は技術とデザインで機能性を高め、より実践的な腕時計を目指しているのです。
ブルーダイヤルの「SLGB023」
グリーンダイヤルの「SLGB025」

 

日常に寄り添う装着性の追求

腕時計にとって装着性はとても大きな意味があります。ましてやダイバーズウオッチが海中で作業する潜水士の為の生まれた計器であることを考えれば、腕にしっかり収まるサイズ感やブレスレットのつくりは、さらに重要度が増してきます。
「Ushio300」に搭載するスプリングドライブ U.F.A. キャリバー9RB1は、ムーブメントの直径が30.0㎜とこれまでのスプリングドライブと比べて小径で、自動巻でありながら厚みは4.70㎜。このコンパクトなムーブメント設計のおかげで、「Ushio300」のケース径は40.8㎜、ケース厚は12.9㎜となりました。このサイズ感は300m空気潜水用防水のダイバーズウオッチとしては小ぶりであり、腕乗りの良さを実感できるでしょう。
さらに外装の素材やブレスレットでも、装着性を向上させるための配慮が加えられています。ケースとブレスレットに採用したのは、軽量で耐食性に優れるブライトチタン。バックル部分には、微調整機構付きのダイバーエクステンダーが備わり、最大で24㎜までブレスレットを伸長できます。こういった小さな積み重ねが、つけ心地のよさにつながるのです。
しかしケースは小さくとも、堅牢性に優れ、再研磨などのメンテナンス性も考慮されており、また、逆回転防止ベゼルのボリューム感のある顔に負けないように僅かに力強さを増したケースデザインは、広い面で光の反射を捉えることで、存在感のある造形を実現しています。
腕に馴染む装着性を意識しつつ、ダイバーズウオッチらしい力強さも表現する。それも「Ushio300」で到達したダイバーズウオッチの答えなのです。

 

心を満たす審美性

「エボリューション9 コレクション」が追求する審美性は、ダイヤルの佇まいにこそ最も端的に表れます。
「Ushio300」ではダイバーズウオッチの性能を確保した上で、オリジナリティを加えるために、アイコンであるパターンダイヤルを採用。そのモチーフは日本列島に豊かな自然の恵みをもたらす海流で、力強くダイナミックなうねりを型打ち模様で表現しました。さらに日本を囲む海が見せる様々な表情を各モデルのダイヤルカラーに落とし込んでおり、力強く激しいうねりのあるブルーと穏やかな静けさを表すグリーンを採用しました。そしてその美しいダイヤル上をスプリングドライブならではの流れるような秒針の動きで、時の移ろいを表現するのです。
またダイヤルカラーは、外縁部に行くほど暗くなるグラデーション仕上げに。これは中央部分でダイヤルの審美性を際立たせつつ、外周の色を引き締めることでインデックスの視認性を高めると同時に、ダイヤル全体に広がりを感じさせるためです。
またインデックスの形状は、従来の丸型から角型へと変更。インデックスを個別パーツとして仕上げることで斜面にカットを入れることができ、繊細な光を放ちます。もちろん剥落しないように、職人の手作業でダイヤルに固定しています。
「Ushio300」の審美性は、あくまでもダイバーズウオッチとしての視認性や機能性を担保させるために導き出されたもの。しかしそれが、ユーザーの美の琴線に触れる。それこそがグランドセイコーの進化であり、「エボリューション9 コレクション」の挑戦の結果なのです。
年差±20秒というスプリングドライブ U.F.A. キャリバー9RB1を採用したダイバーズウオッチ「Ushio300」は、300m空気潜水用防水という高性能モデルながら、40.8㎜というコンパクトなケースサイズを利用して装着性も高めました。E9が掲げる機能・装着・審美の理念に沿い、細部の仕上げや意匠が、この腕時計に独自の表情を添えています。
筒井義昭:写真(人物)
渡邉宏基:写真(静物)
小林伸崇:スタイリング
SHOTARO(SENSE OF HUMOUR):ヘア
MORITA KEN (HOLDER):モデル
HAYASE TAKU(HOLDER):モデル
篠田哲生:文
倉持佑次:編集