Feature Model
Produced by GQ JAPAN for Grand Seiko

2022.02.25.FRI

エッセンス・オブ・グランドセイコー

ダイヤルは工芸品の美しさ!スポーツコレクションに傑作が誕生──グランドセイコー「クロノグラフ15周年記念限定モデル&GMT 20周年記念限定モデル」

毎年ラインアップを拡大するグランドセイコー。オーセンティックなモデルも魅力的だが、じつはスポーティなモデルにも、他社にはない強い個性がある。そんな特性を強調したモデルが、新しいダイヤルを採用したふたつの限定版だ。頑強さに加えて、今のグランドセイコーらしい優れた外装を全面に押し出している。

  • Words: 広田雅将 Masayuki Hirota
  • Photos: 星武志 Takeshi Hoshi @ estrellas
  • Styling: 池田尚輝 Naoki Ikeda
SBGC247,SBGE275

▲クロノグラフの15周年とGMTの20周年を迎えたグランドセイコー。アニバーサリーイヤーの起点となるのはこの2本だ。より精度を高めたムーブメントと、唯一無二のシュカブラ模様が施されたダイヤルをもつ。

計測機能を追求したスプリングドライブクロノグラフ

スポーツコレクション クロノグラフ 15周年記念限定モデル SBGC247

▲「スポーツコレクション クロノグラフ 15周年記念限定モデル SBGC247」は、一般的な機械式腕時計に比べてショックに強く、極めて正確なスプリングドライブクロノグラフに、シュカブラ模様のダイヤルと、軽くて上質なブライトチタンケースを合わせた。9R96スプリングドライブ、 ブライトチタンケース×ブレスレット、ケース径43.5mm。127万6000円(税込)、世界限定700本(うち国内300本)。

今回の限定モデルは、いずれもスプリングドライブというセイコー独自のムーブメントを載せている。ぜんまいを動力源にするのは機械式時計に同じ。しかし、時間の制御をクオーツで行っている。そのためスプリングドライブは、ぜんまいを動力源とする腕時計のなかではもっとも正確と言われている。加えて、機械式時計のようなテンプをもたないスプリングドライブはショックを受けても時間が狂いにくい。

まずはグランドセイコー「スポーツコレクション クロノグラフ 15周年記念限定モデル SBGC247」から見ていこう。搭載するのは、スプリングドライブのクロノグラフ版。普通の機械式クロノグラフはクロノグラフを作動させると時間が狂ったり、駆動時間が短くなってしまう。対してスプリングドライブのクロノグラフはICで駆動系をコントロールするため、クロノグラフを動かしても精度に影響はなく、またパワーリザーブも変わらない。

クロノグラフ15周年を記念して作られた本作は、精度をさらに向上。平均月差±15秒以内という精度を、平均月差±10秒まで追い込んでいる。

シュカブラをあしらったダイヤル

  • ▲「スポーツコレクション クロノグラフ 15周年記念限定モデル SBGC247」の大きな特徴が、表面に凹凸を設けたシュカブラダイヤルだ。プレスを施して、風で削られた雪原を表現している。

  • ▲ケースサイド。ねじ込み式のリングで支えるプッシュボタンは衝撃に強く、防水性に優れる。あえてボタンを大きくして、確実にクロノグラフを操作できるようにしている。

  • ▲グランドセイコーらしい立体的な造形をもつケース。ケースは小さくないが、ブライトチタンの採用により、装着感は軽快だ。

  • ▲繊細さと視認性を両立したシュカブラ模様のダイヤル。表面に厚くラッカーを吹き、それを丁寧に研ぎ上げている。

  • ▲高級時計然とした見た目ながら、タフなスペックを持ち合わせた本作。ブライトチタンケース×ブレスレット、9R96スプリングドライブ、ケース径43.5mm。127万6000円(税込)、世界限定700本(うち国内300本)。

シュカブラとは北アルプスの山でしばしば見られる模様のこと。深く積もった雪を風が削り取ることによって生まれる模様だ。グランドセイコーはこの雪面模様をダイヤルで再現し、ブランドの哲学である「THE NATURE OF TIME」を巧みに盛り込んでみせた。

軽くて錆びにくく、傷の付きにくいブライトチタンは、スポーツモデルと好相性の素材だ。加えて、普通のチタン素材と違い、高級時計にふさわしい光り方をする。スプリングドライブを載せたクロノグラフはどうしても重くなりがちだが、ブライトチタンを採用することによってスポーツモデルらしい軽快さを強調してみせた。事実、直径43.5mmというサイズにもかかわらず、腕馴染みは大変に良い。

ブランドの可能性を広げたスプリングドライブGMT

スポーツコレクション GMT 20周年記念限定モデル

▲グランドセイコー初のGMTウォッチ発売から20年を記念して登場したのが「スポーツコレクション GMT 20周年記念限定モデル」だ。ムーブメントに調整を施して、さらに精度は向上している。時計を止めることなく時差を修正できるため、使い勝手は極めて良い。ステンレススチールケース×ブレスレット、9R16スプリングドライブ、ケース径44mm。84万7000円(税込)、世界限定1500本(うち国内500本)。

つづいて「スポーツコレクション GMT 20周年記念限定モデル SBGE275」を見ていこう。

グランドセイコーがメカニカルGMTモデルを発売したのが2002年。以降、スプリングドライブ、クオーツとそのバリエーションを拡大しており、とりわけスプリングドライブGMTは精度が高く、使い勝手に優れる傑作である。りゅうずを一段引くと、短針だけを個別に操作できるため、腕時計を止めずにローカルタイムに時間を合わせることができる。また、機械式時計とクオーツ時計のハイブリッドであるスプリングドライブのおかげで、この腕時計は機械式時計並みに太くて長い針を乗せることに成功した。「グランドセイコー スポーツコレクション GMT 20周年記念限定モデル SBGE275」は、スプリングドライブGMTの特徴はそのままに、やはり精度を平均月差±15秒から、平均±10秒に向上。その性能にいっそうの磨きをかけた。

北アルプスの冬山を思わせる、唯一無二の外装

  • ▲「スポーツコレクション GMT 20周年記念限定モデル SBGE275」の外装は、北アルプスの雪原と青空をイメージしたもの。鮮やかな発色にはセイコーの技術が反映されている。

  • ▲スプリングドライブGMTの大きな特徴がサファイアガラスをくり抜いたベゼルリングだ。傷が付きにくいだけでなく、高級時計らしい質感をもつ。

  • ▲回転ベゼルの一部には蒸着という手法で鮮やかなブルーが施された。他社にもサファイア製のベゼルリングはあるが、蒸着で色を付けているメーカーは多くない。

  • ▲ケースサイド。44mmという直径は視認性と操作性を優先したため。りゅうずを4時位置にずらすことによって、りゅうずが腕に当たりにくくなっている。

  • ▲使い勝手の良さはそのままに、今のグランドセイコーらしい良質な外装を盛り込んだ試み。ステンレススチールケース×ブレスレット、9R16スプリングドライブ、ケース径44mm。84万7000円(税込)、世界限定1500本(うち国内500本)。

この記念モデルも、クロノグラフに同じくユニークなシュカブラダイヤルを採用した。プレスを使うことによって、風で削られた雪原を表現。純白の雪原は鮮やかな銀メッキで表現している。深いプレスと、白と見紛う銀色のメッキは、グランドセイコーが得意とする手法だ。加えてこのモデルでは、回転ベゼルの一部に蒸着という手法でブルーを再現。サファイアガラス(!)製のベゼルリングの内側から蒸着を施すことによって、塗装では再現できない、鮮やかなブルーを加えることに成功した。ケース素材は標準的なステンレス。腕時計自体は軽いものではないが、時計部分とブレスレットの重さのバランスが良いため、長時間着用しても疲れにくい。

スプリングドライブという優れた心臓を磨き上げたふたつの限定モデル。極めて鮮やかなシュカブラダイヤルは、ほかにない個性をもたらした。実用性が高く、工芸品としての魅力もたたえるふたつの限定版。レギュラーモデルでないのが惜しいほどの傑作だ。