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Produced by GQ JAPAN for Grand Seiko

2022.01.28.FRI

エッセンス・オブ・グランドセイコー

セイコースタイル、55年の進化と深化を読む──第2弾「ヘリテージコレクション 44GS 55周年記念限定モデル『SLGH009』『SLGA013』」

2022年に誕生から55周年を迎える「44GS」。グランドセイコーのデザインコードを体現した 「44GS」とは何だったのか?44GSの55周年記念限定モデル第2弾となる最新作「SLGH009」と「SLGA013」を通して、セイコースタイルの進化と深化を読み解く。

  • Words: 広田雅将 Masayuki Hirota
  • Photos: 星 武志 Takeshi Hoshi @ estrellas
  • Styling: 石川英治 Eiji Ishikawa @ T.R.S
44GS,ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 GMT 44GS 55周年記念モデル

▲左から、1967年の通称「44GS」、ヘリテージコレクション 44GS 55周年記念限定モデルの「SLGH009」と「SLGA013」。右ふたつの造形は、44GSを受け継いだもの。しかし、搭載するムーブメントは最新のものとなり、ケース素材も普通のステンレスではなく、硬くて錆びにくいエバーブリリアントスチールだ。

待望の44GSケース+最新ムーブメントの組み合わせ

ヘリテージコレクション 44GS 55周年記念限定モデル「SLGH009」

▲2021年に大きな話題を呼んだ新型自動巻の9SA5。それを定番の「44GS」ケースに搭載したのが、ヘリテージコレクション 44GS 55周年記念限定モデル「SLGH009」だ。優れた性能に加えて、薄い9SA5を採用することによって、実用時計として高い完成度を誇る。ケースの厚さは11.7mmに抑えた。

1967年の44GSケースは、現在に続くグランドセイコーのデザインを完成させた傑作である。切り立ったエッジと大きな平面、そして裏蓋側に向けて絞られたケースなどは、すべて44GSが起源だ。以降グランドセイコーは、この44GSのデザイン思想を幾度となく再現してきた。その最新作が、ヘリテージコレクション 44GS 55周年記念限定モデルの「SLGH009」と「SLGA013」だ。搭載するのは、前者が機械式自動巻の9SA5、後者は自動巻スプリングドライブの9RA2である。

外装の素材は、なんとプロ用ダイバーズに同じ!

SLGH009のケース

▲44GSの造形を忠実に残した、SLGH009のケース。ケースサイドを細く絞り、薄く見せる手法も同じだ。既存のモデルに比べてケースが美しく見えるのは、ケース素材をステンレスから、エバーブリリアントスチールに変更したため。外装の改良に積極的なグランドセイコーは、ついに素材そのものの変更に着手したのである。

外装の改良に積極的なグランドセイコーは、ケースの素材自体を見直すようになった。好例が、チタンでありながらも、ステンレスに等しい質感を誇る「ブライトチタン」だ。44GSの 55周年記念限定モデルも、やはり素材が進化した。新しい「エバーブリリアントスチール」は、腕時計で使用するステンレススチールとしては高い耐食性をもち、しかもプラチナのような質感を見せるステンレススチールの一種。セイコーはこの素材をプロ向けのダイバーズウォッチに採用してきたが、新作ではなんとグランドセイコーに合わせた。

駆動するのは、ふたつの傑作ムーブメント

SLGA013

▲自動巻スプリングドライブの9RA2を搭載した「SLGA013」。約5日間もの長いパワーリザーブと、月差±10秒以内という高い精度、そして薄さと頑強さを両立したムーブメントは、新しい44GSの実用性をさらに高めた。文字盤の仕上げは機械式自動巻を載せたSLGH009に同じ。しかし色をブルーからグレーに変更した。

新しい44GSの特徴は、錆びにくく、独特の質感を誇る外装の素材に限らない。搭載するのは、世界水準を遥かに超えるふたつの自動巻ムーブメントだ。SLGH009は、約80時間の長いパワーリザーブに、3万6000振動/時という高い振動数をもつ9SA5を、SLGA013は約5日間のパワーリザーブと、月差±10秒以内という高い精度をもつ自動巻スプリングドライブの9RA2をそれぞれ採用。これらの自動巻ムーブメントは、グランドセイコーの特徴である頑丈さを損ねることなく、大幅な薄型化に成功した点も見逃せないポイントだ。

それだけではない。ムーブメント取り付け位置を裏蓋側に近づけることによって、腕時計の重心も大きく下がった。着け心地の良さは、新しい44GSの大きな特徴だ。

見てよし、使って良しのグランドセイコー新定番

SLGA013

▲スプリングドライブを搭載したSLGA013も、外装の造形は自動巻を搭載したSLGH009にほぼ同じだ。モダンだが、どことなくレトロに見える理由は、盛り上がったボックス型のサファイア風防のおかげ。とはいえ、ケースの厚みが12.1mmしかないため、袖に引っかかることもない。ブレスレットと時計部分の重量バランスも優れており、長期間使っても疲れにくいだろう。

44GSの外装を受け継ぎつつも、大幅にスペックアップを果たしたふたつの新しい44GS。エバーブリリアントスチール製の外装は、錆びにくく、傷つきにくいだけでなく、これまでのグランドセイコーとは明らかに違う質感をもっている。また、搭載するふたつの自動巻ムーブメントも、現行モデルとしては間違いなく最高峰にある。

意外だったのは、その存在感からは想像できないほどの軽快な装着感にある。ケースを薄く作り、腕時計の重心を下げるという新しい設計思想は、ふたつの44GSに、実用時計としてのさらなる成熟をもたらした。「SLGH009」と「SLGA013」は、いわゆる腕時計好きだけでなく、良質な腕時計を探している人にも好適だ。その完成度は群を抜いて高い。

  • ▲機械式自動巻の9SA5を搭載するのが「SLGH009」だ。いわゆるスーパーステンレススチールであるエバーブリリアントスチール製の外装は、独特の質感を放つ。文字盤は悠久の時の流れをイメージした型打ちである。

  • ▲SLGH009の文字盤は、プレスで型打ちした上にラッカーを厚塗りしたもの。厚さによって深みが加わった文字盤は、受ける光によってさまざまな表情を見せる。文字盤と針、そしてインデックスのコントラストが高いため、視認性にも優れている。

  • ▲自動巻スプリングドライブの9RA2を搭載するのが「SLGA013」だ。外装の仕上げはSLGH009に同じ。しかし、文字盤がダークグレーに変更された。極めて立体的な針とインデックスは、高い視認性をもたらす。

  • ▲SLGA013のダークグレー文字盤。立体的な下地は、プレス加工によるもの。その上に、スイスメーカーよりもはるかに厚いラッカー塗装を施し、鏡面に研ぎ上げている。その仕上がりは唯一無二。

  • ▲SLGH009の裏蓋からのぞくのが、最新鋭の9SA5だ。そのスペックは、現行の自動巻としては最高峰のレベルにある。また、分割されたブリッジや、ソフトなストライプ仕上げなど、高級機に相応しい仕上がりをもつ。

  • ▲ヘリテージコレクション 44GS 55周年記念限定モデル「SLGH009」
    エバーブリリアントスチールケース×ブレスレット、自動巻、40mm径。115万5000円(税込)

  • ▲ヘリテージコレクション 44GS 55周年記念限定モデル「SLGA013」
    エバーブリリアントスチールケース×ブレスレット、自動巻スプリングドライブ、40mm径。104万5000円(税込)