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Produced by &GP for Grand Seiko

2022.06.30.THU

銀と紺で紡がれるグランドセイコー新作GMTに見る王道の深淵

銀と紺で紡がれるグランドセイコー新作GMTに見る王道の深淵
  • 文/高村将司
  • 写真/江藤義典
  • スタイリング/宇田川雄一

“日本のウオッチメイキングはここにあり”と、世界に向けてその魅力を発信するグランドセイコー。事実、洋の東西を問わずそのファンは数多く、「一度は腕元に」と考える人も少なくないだろう。

そんなグランドセイコーのヘリテージコレクションから、同ブランドが誇る独自機構“スプリングドライブ”を搭載した、繊細な顔立ちのGMTウオッチ2モデル「SBGE279」「SBGE281」が登場する。

腕時計の奥深き世界の一端を見せてくれると同時に、大人としての風格を腕元からも醸したいビジネスパーソンに向けて、さまざまな角度から見ても推奨に値するものだ。

冒険心を満たす大人の1本にふさわしいGMT

どこから切り取っても惚れ込む要素が満載されているグランドセイコーのコレクション。果たして、新たに登場するスプリングドライブGMTウオッチは何が魅力なのか?
丁寧に解き明かしていこう。

まず、ひと目で惹かれるのは王道のデザインだろう。

セイコー腕時計の歴史を紐解けば、1913年に登場した国産初の腕時計「ローレル」まで遡らなければならないために詳細は割愛する。が、ひとつ触れるとするならば、1960年にグランドセイコーが誕生し、その後1967年に確立したデザイン文法「セイコースタイル」のDNAが、数々のモデルが生まれる中で発展し、現在に至るまで脈々と受け継がれているという点。

立体的なインデックスや、シャープな稜線、光と陰が織りなす美しいデザインは、まさにグランドセイコーの王道と呼ぶべきもので、本作にもそのエッセンスが見て取れる。

日本の繊細な美を凝縮した王道

SBGE279

▲「SBGE279」594,000円(税込)
特徴的な凹凸で自然の繊細な美しさを表現した白銀のダイヤルは、清潔な印象を保ちつつ王道感を強調。スプリングドライブ、SSケース、ワンプッシュ三つ折れ方式中留、10気圧防水、ケース径40mm

魅力はもちろんデザインだけにとどまらない。搭載しているスプリングドライブ機構で動くGMT機能を備えたキャリバーの存在も重要だ。

スプリングドライブとは、セイコーが開発した機械式とクオーツの“いいとこ取り”をしたオリジナルの機構。ゼンマイがほどける力を電力に変換、その電力で作動する水晶振動子とICによって運針を制御するというもの。

高い精度と機械式ならではの“メカニカル感”が両得できる優れものだ。

SBGE279

本作は、そのスプリングドライブ機構に加えて第2時間帯を4本目の針が指し示す、いわゆる「GMT」モデル。第一義的には、渡航の際に使える実用性がメリットで、スマホに頼らない腕時計派ならずとも、海外出張の際はGMTを欠かさないという人もいるほどに便利な機能である。

多くのGMTウオッチは、視認性アップのためにこの針が強調されており、本作も多分に漏れない。

腕元に世界を感じる愉悦

SBGE281

▲「SBGE281」594,000円(税込)
シックなミッドナイトブルーのGMT針には、ゴールド色を採用。よりアクセント感が強まり、精悍な印象に。スプリングドライブ、SSケース、ワンプッシュ三つ折れ方式中留、10気圧防水、ケース径40mm

このGMT針の存在はまた、ダイヤル上のアクセントでもあり、GMTウオッチならではの魅力のひとつにほかならない。色の異なる「第4の針」とダイヤル外周に備わる24時間計が、GMTを選んだという満足感をもたらしてくれる。

もちろん仕事上、海外との関わりに縁のない人にも、GMTウオッチがもたらす愉悦はある。気軽に海外渡航がしづらいこの時世だけに、腕元から世界を感じていられる存在ともなりうる。GMTウオッチは、針一本で彼の地に思いを馳せ、メカニズムへの憧憬を刺激する一本でもあるのだ。

SBGE281

なお、7時位置に設置されたパワーリザーブ表示で、動力の残りを表示。スプリングドライブ機構に備わるおなじみの表示にも、愉悦を感じられるだろう。

また、搭載される自動巻スプリングドライブGMTの「キャリバー9R66」について付記したい。2004年に登場したグランドセイコー初のスプリングドライブ「キャリバー9R65」にGMT機能を備えて、翌2005年に登場。平均月差±15秒=日差およそ±1秒程度の高精度。

SBGE281

グランドセイコーの王道デザインを支えるのは、職人の技術だ。ステンレススチールのケースに対して、「ザラツ研磨」と呼ばれる繊細な技術で、ひとつひとつが丹念に仕上げられている。その高い技術によって、サテン仕上げと鏡面仕上げの境界をなす美しくシャープな稜線が実現しているのだ。

こうしたプロダクトとしての高いクオリティもまた、グランドセイコーに魅了されるポイントといえる。

奥ゆかしき日本的な美を司る質感の高いダイヤル

このたびの新作が、惚れ込める腕時計としての価値を大きく高めているのが、ダイヤルの仕上げである。

SBGE279

「SBGE279」は、美しいダイヤルが際立つモデル。表面に繊細な模様が見て取れるが、これは職人が手作業で掘り込んだ柄を金型に使用してエンボスを施している、型打ち模様である。

日本ならではの自然の繊細な美しさをダイヤルに表現することを得意とするグランドセイコーらしい表現法で、温かみのある仕上がりとなっている。

SBGE279

落ち着いた佇まいで、王道といえるスーツスタイルを組み合わせるだけでも上品にまとまる。大方どんなビジネスウエアとも相性がいいが、こちらのコーディネイトのように、コントラストのあまりないグレーのストライプスーツに合わせれば、ディテールにこだわる着こなしが楽しめるだろう。

メタルバンドにシルバーのダイヤルという組み合わせは、ビジネスパーソンに人気の鉄板的な組み合わせだが、その繊細な表情によって、奥ゆかしい雰囲気を醸しているのがわかる。

SBGE281

一方、グッとエレガントな雰囲気が高まるのが、ミッドナイトブルーダイヤルを擁した「SBGE281」だ。光が当たると姿を表す筋目が、美しく磨かれた立体的なインデックスと相まって上品な輝きを携える。

遠目ではブラックにも近い深いブルーが、光を浴びるとたちまちブルーとしてその妖艶さを際立たせる。夜の礼装であるタキシードに使用されるミッドナイトブルーにも通じるところがあり、大人の魅力をさらに引き出してくれそうだ。

SBGE281

腕元におけるわかりやすいアクセント効果は、こちらのミッドナイトブルーに軍配があがるだろうか。ライトトーンのスタイリングにおいても、腕元をキリリと引き締めてくれる。

SBGE281とSBGE279

▲ 左が「SBGE281」、右が「SBGE279」

グランドセイコーが培ってきた王道デザインのなかに、繊細な美観を宿したスプリングドライブGMTの新作。2本並ぶと、いずれを選ぶか悩ましさが倍増すること請け合いだ。

実は今年2022年は、グランドセイコーにおけるGMTモデル誕生20周年というアニバーサリー。意欲的に出される新作の中でも、ミニマルな中に多彩な魅力を宿しているこの2本こそ、エレガンスさとアクティブさを追い求める大人に似合うタイムピースといえよう。