Philosophy
Produced by AERA STYLE MAGAZINE for Grand Seiko

2021.05.28.FRI

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「THE NATURE OF TIME」
時が育む、美しいニッポン
~Prologue~

THE NATURE OF TIME

かつて人の営みは自然のサイクルとともにあり、そこから人類は時の概念を生み出した。そしていまグランドセイコーは、「THE NATURE OF TIME」というブランドコンセプトを掲げる。それは“時の本質”という意味に加え、自然に育まれた豊かな感性と道を極めた匠の技の邂逅(かいこう)を込めている。
日本には二十四節気と呼ばれる季節がある。これは一年を24等分し、四季もその区分点を境にしている。それだけ密接に日常と関わり、日本人の生活文化はいつも自然と共にあったのである。だがいまや現代社会から自然は遠ざかり、その意識も薄れつつある。もう一度、自然をより身近に感じられる時を手にするために。

  • Design: adlay
  • Text: Mitsuru Shibata
  • Direction: Teruhiro Yamamoto
  • (YAMAMOTO COMPANY)

グランドセイコーがいざなう、悠久への旅路

時はすべてに平等だったとしても、人は時間によって貧しくも豊かにもなる。ただいたずらに時間を節約し、より多くの成果を求めていては、せわしなく時間に追われて失っているものにも気づかないだろう。そしていまほど自分の時間と向き合う日常はなかった。誰もが自身の「THE NATURE OF TIME」を求めている。

グランドセイコーがいざなうのは、そんな時を探す旅だ。二十四節気をテーマに自然への敬意を払い、かつて広重や北斎が諸国を巡り、芭蕉が漂泊を続けたように自然と共生する人々と出会う。いつもと違う風景のなか、きっと新たな考え方や多様性のある生き方を発見するだろう。その旅こそ真の豊かな時間をもたらすに違いない。

春分

春分
生命力に満ちあふれた喜びを緑の光彩に宿す

太陽が春分点に達し、昼と夜の時間がほぼ同じになる、祝日でも知られる節気に着想を得た。緑のダイヤルは、旺盛に芽吹く木々の生命力を湛(たた)え、この日を迎えた日本人の情感を表現する。全体の調和を崩すことなく、現代的な実用性にも応える第2時間帯表示を備え、GMT針は可憐(かれん)な山桜をイメージし、華やぐ春の訪れを告げる。

小暑

小暑
美しい水面のさざ波に夏の清涼感を映し出す

小暑は、梅雨明けが近づく7月7日ごろを指す。いまではすっかり気候も変わったが、本格的な夏を待ちわびる気持ちに変わりはない。淡い水色のダイヤルはこの節気を宿し、美しい陰影は白南風(しらはえ/しらさえ)が揺らす水面を想起させ、10振動のハイビートはさざ波を表現する。そして清涼感漂うブルーのGMT針に、七夕の夜空への思いをはせる。

寒露

寒露
深まる寒さに秋の夜長を楽しむ風雅を込めて

喧騒の夏が終わり、初秋にかけ、野草に冷たい露が宿る。肌寒さとともに深まる秋の夜長をしみじみと味わう。10月8日ごろを指す寒露は、そんな機微に満ちた節気だ。筆致漂う黒いダイヤルはうろこ雲をまとう夜空を表し、GMT針は浮かぶ薄月を思わせる。そして流れるようなスプリングドライブの秒針の動きが静寂な時を演出する。

冬至

冬至
はるかなる雪原に立つ思いを常に腕元に

一年で夜が最も長くなる12月21日か22日ごろに当たる冬至。本格的な冬の始まりとともに、わずかな日照にもその移ろいを慈しむ。粉雪のような粒子が浮かぶ白いダイヤルは、凛(りん)とした雪原への憧憬を呼び覚まし、精緻(せいち)なスプリングドライブに荘厳さが際立つ。そしてピンクゴールド色のGMT針は、そこに差す温かな茜色の夕日を輝かせる。