Vol.17

瞬間日送り機構の開発

夜中の12時付近で瞬時にカレンダーが切り替わる瞬間日送り機構。この機構はグランドセイコーでは9Fクオーツに搭載されていますが、9Sメカニカルでは初めてキャリバー9SA5に搭載されました。グランドセイコーのメカニカルムーブメントとしては1968年のキャリバー4522以来、約50年ぶりのことです。

瞬間日送り機構を司るのは直径約7mmの日回し車という小さな部品。この部品にはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)という技法で精密に作られた複数の小さなばねが内蔵されています。文字盤に隠れて見ることのできないこの日回し車もまた、職人たちの手により美しく仕上げられています。

デュアルインパルス脱進機など革新的な機構を搭載したキャリバー9SA5は、長時間にわたって持続する安定した高精度の実現のみならず、瞬間日送り機構によって使いやすさも一層向上しています。