Vol.12

高い品質の部品を作るための工夫

機械式時計の内部では、非常に多くの部品が連動しながら動いています。部品には大きな力が加えられるので、高性能の機械式時計であるためには高い品質の部品が求められます。

その品質の証のひとつとして、部品の「焼き入れ」、「焼き戻し」があります。

金属の部品に高温で熱処理を施す「焼き入れ」によって金属組織が変化し、硬くなりますが、それだけではもろくて割れやすい状態です。そこでさらに、それより低温で「焼き戻し」という処理を行います。

これらによって硬くて強靭な金属となるので摩耗や破損に強い、長く使える部品になるのです。

グランドセイコー9Sメカニカルの高い信頼性は、一見では分からないような部品一つひとつが支えています。