【グランドセイコー、未来へ紡ぐ10の物語】 Vol.2 実用する道具として美しさを追求した、
確かなカタチ

DESIGN CODE シャープな造形ときらめきを生む、デザインコード。

稜線を活用した造形によって、陰影を表現する。それが「グランドセイコー」のデザインの骨格となった。平面と平面がせめぎ合う緊張感のあるデザインを実現させる上で、大いに役立ったのが外装設計の寸法単位規格の変更だったという。セイコーでは、それまで時計業界の主流だった「リーニュ」という特殊な単位を使っていたが、1961年に「ミリ」へと変更。それによって最小単位が1/4リーニュ(約0.56㎜)から0.1㎜まで使用できるようになり、従来よりも繊細な外装設計が可能になったのだ。

デザインを開発する上で大きな柱としたのは、文字板とケースだった。ケースはステンレス素材を冷間鍛造によって製造し、シャープな立体造形を実現。特にケースサイドからラグへと流れる稜線に特徴をもたせた。そして光と影を演出するために、文字板のインデックスには多面カットを施して、ていねいに磨き上げた。文字板は防水構造に起因するフラットな形状だったが、それもこのインデックスをシャープに引き立たせてくれた。このような「グランドセイコー」に特徴的なデザインは、1964年に第二世代の「GSセルフデーター」、そして1967年の第三世代「44GS」へ進化を重ねていくに従い洗練度を高めていった。

傑作「44GS」の特徴は、ケース形状に特に表れている。表側の平面部分は歪みのないポリッシュ仕上げが施されているが、これは「板掛け」という手法で実現した。機械メーカーの呼称から「ザラツ研磨」と呼ばれる研磨で磨かれたこの美しい面に、逆傾斜になったケースサイドの面をつなげてシャープな造形美をつくり出した。さらにはケースに埋もれるようにりゅうずを設計したのも特徴。こうすることでケースサイドに落ち着きをもたらしている。

ここで実現させたデザインは、グランドセイコーのデザイナーによってまとめられ、「セイコースタイル」として現在まで受け継がれることになる。「多面カットのインデックス」や「鏡面のベゼル」「多面カットの針」などもそのデザインコードに含まれ、時計全体にシャープな造形美ときらめきをつくりだす。スイス時計との違いを追い求めてきた「グランドセイコー」は、ついにその答えを見つけたのだった。

DESIGN CODE シャープな造形ときらめきを生む、
デザインコード。

稜線を活用した造形によって、陰影を表現する。それが「グランドセイコー」のデザインの骨格となった。平面と平面がせめぎ合う緊張感のあるデザインを実現させる上で、大いに役立ったのが外装設計の寸法単位規格の変更だったという。セイコーでは、それまで時計業界の主流だった「リーニュ」という特殊な単位を使っていたが、1961年に「ミリ」へと変更。それによって最小単位が1/4リーニュ(約0.56㎜)から0.1㎜まで使用できるようになり、従来よりも繊細な外装設計が可能になったのだ。

デザインを開発する上で大きな柱としたのは、文字板とケースだった。ケースはステンレス素材を冷間鍛造によって製造し、シャープな立体造形を実現。特にケースサイドからラグへと流れる稜線に特徴をもたせた。そして光と影を演出するために、文字板のインデックスには多面カットを施して、ていねいに磨き上げた。文字板は防水構造に起因するフラットな形状だったが、それもこのインデックスをシャープに引き立たせてくれた。このような「グランドセイコー」に特徴的なデザインは、1964年に第二世代の「GSセルフデーター」、そして1967年の第三世代「44GS」へ進化を重ねていくに従い洗練度を高めていった。

傑作「44GS」の特徴は、ケース形状に特に表れている。表側の平面部分は歪みのないポリッシュ仕上げが施されているが、これは「板掛け」という手法で実現した。機械メーカーの呼称から「ザラツ研磨」と呼ばれる研磨で磨かれたこの美しい面に、逆傾斜になったケースサイドの面をつなげてシャープな造形美をつくり出した。さらにはケースに埋もれるようにりゅうずを設計したのも特徴。こうすることでケースサイドに落ち着きをもたらしている。

ここで実現させたデザインは、グランドセイコーのデザイナーによってまとめられ、「セイコースタイル」として現在まで受け継がれることになる。「多面カットのインデックス」や「鏡面のベゼル」「多面カットの針」などもそのデザインコードに含まれ、時計全体にシャープな造形美ときらめきをつくりだす。スイス時計との違いを追い求めてきた「グランドセイコー」は、ついにその答えを見つけたのだった。

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グランドセイコー「44GS」(1967年)

1967年に誕生した傑作「44GS」は、2013年に限定モデル「SBGW047」として復刻。風防の素材やケースの厚さなどは改良されたが、直線と平面、二次曲面で構成した特徴的なケースデザインなどは忠実に再現された。歪みなく磨きこまれたケースの平面は、まさに鏡のように反射して映し出す。
※数量限定品につき完売。

SBGW047

ベゼルやケースの歪みのない美しいポリッシュ面は、熟練職人が手がけるザラツ研磨によってつくる。ケースサイドは逆傾斜になっており、シャープな造形美が生まれる。(写真のモデルは「SBGW047」)

ベゼルやケースの歪みのない美しいポリッシュ面は、熟練職人が手がけるザラツ研磨によってつくる。ケースサイドは逆傾斜になっており、シャープな造形美が生まれる。(写真のモデルは「SBGW047」)

SBGH219

多面カットを施したバーインデックス。ポリッシュ仕上げを施しているためキラキラと輝くが、その反対側には美しい影が生まれる。
(写真のモデルは「SBGH219 」)

SBGH219

時分針はサイドを斜めにカットし、そこにポリッシュ仕上げを施すことで輝きをつくる。針の先端まで、寸分違わず作り込まれる。
(写真のモデルは「SBGH219 」)

SBGW047

ケースの厚みは11.5㎜だが、逆傾斜をつけているため薄く見える。ガラスはサファイアガラスだが、オリジナルの「44GS」に合わせてボックス型に加工した。
(写真のモデルは「SBGW047」)